導入事例5/東京・大井町イタリアン「オステリア トゥット ソーレ」様

「1+1=2」では意味がない。素材の相乗効果が産みだすプラスアルファ

一品目は、ほやと夏野菜のジュレ添えです。ジュレはイタリアでゼリーのことです。メインがほやということで、次に連想した野菜はトマト。相性がいいと思ったので器にして、茄子、パプリカ、とうもろこし、オクラをそれぞれ違う調理法で火を通し、トマトの中に詰めています。ほやは生のままシンプルにオリーブオイルと少量の塩とイタリアンパセリを混ぜて盛りました。横には涼感でバジルを添え、お客様自身が組み合わせを楽しみながら食べていただければと考えています。

そして、さらに上からほやの出汁を固めたゼリーを乗せています。しかし、ほやの上にほやのゼリーではただの「1+1=2」なので、相乗効果にはなりません。さらに引き立たせるためのアクセントとして、トマトの種から1時間かけて抽出した透明なエキスを加えました。夏は野菜もほやも美味しい季節ですが、ここもどちらかが勝ってしまったら「1+1」はむしろ1.5。僕はこれを3.5くらいにしたいので、トマト自体も軽くマリネして水分を抜いたり、ジュレの硬さをギリギリにしたりしながら、口の中でのまとまりや白ワインとのマリアージュをイメージしてつくりました。

二品目はリゾットです。ひとつの鍋で調理し、お米に吸わせて旨みを伝えることを考えました。さらに、ほやのエキスを入れた出汁を加えようかと思ったのですが、そこはあえてやさしい野菜のブイヨンを選びました。ほや自体が美味しいのに、さらに美味しさを足してもぶつかってしまうので。そして魚介と相性のいいディル、ごまの風味がありちょっと主張のあるセルバチコ、そして加熱すると風味が増すタイムで清涼感とアクセントを加えました。

最後の仕上げには、当初レモンを考えていました。シチリアの方ではほやは「海のレモン」と呼ばれます。相性はいいだろうと思ったのですが、イメージとしてはちょっと酸味が強すぎる。その強い酸味で肉の臭みを消したりすることもありますが、今回のほやは臭い消しの必要が全くないので、僕なりのオリジナリティとして甘味もあるオレンジを使いました。これなら「1+1」が「3」になる組み合わせだろうと。

美味しくて発見があって、あっと驚いてもらえるのがレストランの料理だと考えています。せっかく自分がやるのなら、考えやこだわりを出していきたいし、どうせなら遊び心がある方が面白いですよね。また、料理人は固定概念を覆す職業だと思っているので、苦手な食材も、何か形を変えることで美味しいと言ってもらいたい。ほやもご存じなかったり苦手なお客様もいらっしゃいましたが、すすめると皆さん完食されていました。何より僕自身が美味しいと思って、自信を持っておすすめしているので、お客様も安心して「じゃあ食べてみます」と言っていただけたのではないかと思います。

CASラインナップは時代のニーズにあった商品

使用する際は、前夜に使いたい分だけ冷蔵庫に入れておいて解凍し、そのまま使っています。分けられるパッケージもいいですね。正直、僕らの店ぐらいだと、足りなかったらどうしようとか、いろいろなリスクを考えながら仕入れをする必要があります。用意はしてあっても、いらしたお客様の趣向を聞いたらNGだったり。一方でアラカルトでご注文される方もいらっしゃいます。そういった場合も「鮮冷ほや刺身」は本当に扱いやすいです。

イタリアンは素材の旨み甘味がベースにあり、それを組みあわせる料理です。ほやは、組み合わせの可能性が広がるので、その意味でも扱いやすい食材です。今回もただカットしただけでほとんど加工をしていません。加工しなくていい分、使い方のアイデアは増えていくと思います。ほやはやはり生がいいと殻付きを仕入れて店で剥くのもひと手間。その点「鮮冷ほや刺身」は、獲れたてのものが剥き身でCAS凍結されています。産地で少なからず最適にここまでの加工を済ませてくれているので、あとはその「ひと手間」をどこに持っていくかという話ですね。

「鮮度が一番なので」と言えばお客様も納得されると思いますし、効率性を重んじる時代ですから選ばれて当然です。「鮮冷ほたて貝柱」もそうですが、このCAS凍結の商品は、とても時代のニーズに合った食材だと思います。

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困ったな。このほや美味しいぞ

▼ 鮮冷ほや刺身ご購入のお問合せ先
株式会社丸昌
〒104-0045 東京都中央区築地5丁目2−1
03-3543-6471

 

Osteria Tutto Sole (オステリア トゥット ソーレ)

JR京浜東北線 大井町駅 中央口より徒歩2分にある“Osteria Tutto Sole”。イタリアンベースの料理を中心に、シェフの地元でもある北海道産食材を使用したメニューをご提供。ご来店いただいたお客様に満足してもらえるよう、美味しい料理と心のこもったサービスでおもてなしいたします。

「オステリア トゥット ソーレ」公式ホームページ

『イタリア料理用語辞典』の著者、吉田政國氏の店として知られ、ミシュランにも評価されてきた名店「トラットリア ヨシダ」の跡を受けて、2017年開店。「太陽がいっぱい」を意味する「Totte Sole」のために、吉田氏自らが描いたという大きな太陽の絵が、新しくなった店を笑顔で見守っています。