CASほたて貝柱・ほや刺身 導入事例6/東京・フレンチビストロ「イレール 人形町」様

新鮮なほやの本当の旨さと奥深さとの出会い

実は、ほやをメニューに使ったのは初めてです。これまではほとんど触れることがなく、なかなか美味しいと実感することはありませんでした。ところがCAS凍結の「鮮冷ほや刺身」は「本当にうまい」と思えました。これが新鮮なほやなんだ、というのを初めて知った感覚です。正直に言うと、クセもあるので好き嫌いが分かれるのは当然と思いましたが、好きな人にとっては目も引きます。「これはメニューに入れる価値がある」と感じました。

軽く火を入れた時の食感が好きだったので、生ではなく加熱した温かい料理で出したいと考えました。試していく中で、オマール海老のクリームソースと合わせた時の相性がよく、これでひとつ完成したな、と思える仕上がりにできました。ほやはできるだけ生に近い状態がいいのですが、ちょっとした歯ごたえが欲しいので処理も工夫しています。まず流水解凍してから、お湯を沸かして少しだけビネガーと塩を加え、火を止めて解凍したての「鮮冷ほや刺身」を投入して10秒くらいで上げます。魚介類はビネガーを入れることで甘みが増します。

ほやはとても懐の深い食材ですね。似ているものがないのでいろいろ考えさせられますが、そこが面白い部分でもあります。今回のメニューも、今の評判はすごく良いのですが、少し経ってリピートが出るかどうかがひとつの目安。「これは本物だ」と思えるまで、工夫を繰り返していきます。チャレンジしがいのある食材だと思いますし、オリジナルという意味では日本が誇る食材と言えるのではないでしょうか。次は前菜で使えるようなマリネしたものを考えています。あとは、フリットも良さそう。トリュフも合うので、フリットにトリュフオイルをかけてみたりしても美味しそうです。

あと、「鮮冷ほや刺身」の分かれているパッケージも、すごく良いです。オーダーが入ってから使用する個数分だけ解凍すれば良く、以前のように真空パックを開けて全部溶かしてといったことはありません。剥く必要もないので調理時間も短縮できますし手間もかかりません。これを殻付きからということであれば、ほやのメニューをやってみようと思わなかったでしょう。そして何よりロスもありません。冷凍食材の良さはまずロスがないところです。

進化する「冷凍」食材と選ばれるメニューづくり

「冷凍」ということに対して、日本人の意識も大分変わってきていることを感じます。近くにフランスの冷凍食品専門店があるのですが、結構売れているんです。例えば、パンなどはフランスの酵母や粉で焼いたものがそのまま入ってきているのでとても美味しい。あとは「おせち」なども代表的な例です。昔では考えられませんが、今の技術であれば、冷凍であることが「安心安全」につながり、食べたい部分だけ溶かしていけばいい、ということで非常に合理的な仕組みになっていると思います。それが今はどんどん受け入れられているということです。

食材として冷凍品を扱う際には、解凍の仕方も重要です。最後の扱いがしっかりしていないと良さを活かしきれないこともあります。料理人の考え方もあるので一概には言えませんが、例えば僕の場合、同じ「鮮冷ほたて貝柱」でも焼くのか刺身なのかによって、溶かし方の工夫も変わってきます。幅広い方に利用してもらうには、基本的な溶かし方を共有できるようなちょっとしたマニュアルなどがあってもいいかもしれません。

最後に、メニューを考える上で組み合わせはやはり重要です。プレゼンテーションという意味でお客様がメニューを見た時に、何か付加価値があった方が選ばれやすいものです。ほやをあまりご存じないお客様にとって、例えばシンプルに「ほやのサラダ仕立て」と書いてあっても、あまり興味を惹かれないかもしれません。そこで「オマール海老」や「トリュフ」というキーワードが入ることで価値観が変わります。使う食材に馴染みがある方に出すのか、そうでないのかによって、提供の仕方を考えることも必要です。せっかく考えたメニューでも食べていただけなければ意味がありませんから。

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美味しいものを探していたら、たまたま女川町産だった

▼ 鮮冷ほや刺身ご購入のお問合せ先
株式会社丸昌
〒104-0045 東京都中央区築地5丁目2−1
03-3543-6471

 

イレール 人形町

日本の四季折々の素材を活かした体にやさしい料理と、世界中から厳選したオーガニックワインが楽しめる、”自然と素朴”をテーマにしたビストロ「イレ―ル人形町」。
温かいアンティーク家具がつくる居心地の良い大人空間で、ゆったりとした時間をお楽しみください。

「イレール人形町」公式ホームページ

オーナーシェフ 島田哲也プロフィール

23才で渡仏。パリ「オランプ」(1ツ星)、「ルカ・カルトン」(3ツ星)、「アルページュ」(3ツ星)にて研鑽を重ね、その他、パティスリー、ブーランジェリーなどで修行。 「アルページュ」のシェフ、アラン・パサール氏に認められ、日本人初の魚担当シェフに抜擢。
パサール氏の野菜へのこだわり、食材の調理法に、大きく影響を受ける。
帰国後、池袋でシェフを経て、恵比寿に“身体にやさしいフランス料理”をコンセプトにしたレストラン「イレール」をオープン。
料理は勿論の事、奇抜な黄色い内装は料理界以外のファッションメディアにも注目される。日本の四季で育つ野菜に着目し、“日本食材”を用いたフランス料理が話題となりテレビ、雑誌で取り上げられる。
その後、「イレール・ドゥーブル」、「イレール・ボントン」などを展開し、2013年9月、念願のビストロ「イレール・人形町」をオープン。