阪急阪神第一ホテルグループ様(東京エリア)での鮮冷ほたて・ほや食材活用について

「これは使わなくてはならない」マストなアイテムだったほや

私たちのグループでは、トップの関係者の方々が来られるパーティーが首都圏・近畿圏で年に2回あります。こちらは昨年首都圏で開催された際にお出ししたもので、「帆立貝とホヤのシャルロット 礒の香りと共に」と名前を付けました。フランス語で書くと「Charlotte de Coquille Saint-jacques et Figue de mer」。「figue de mer」が南仏の方でほやを指す表現ですが、「海のイチジク」という意味です。日本でも「海のパイナップル」ともいいますから、ちょっとおもしろいですね。

その時期は宮城・山形フェアの最中でしたので、その中の食材を使いましょうという話になりました。メインは米沢牛にして、じゃあ魚はどうしようかという時に、近畿圏からのお客様も多いので敢えて「ほや」を使ってみようと考えました。

私はもともとほやが好きなので、築地で入荷したてのもの以外に、スーパーで買ったりすることもありますが、正直風味が抜けてしまっていることも多いです。ところが、女川で「蒸しほや」を食べた時に、これは美味しいと感心しました。さらに焼いたものも頂いたら、ほやってこんなに美味しいんだと新しい発見でした。そこで今日の料理の中でもホヤはバーナーで焼いて使っています。

最初の段階では、メニューは「帆立貝と湯葉のシャルロット」と書きました。ほやとは敢えて書かなかったんです。試食の段階で社長や集まった方々とはほたての話をしながら、とにかく食べていただいた後に説明をいれました。反応は上々だったので、宮城・山形のエッセンスを加えたコースにするので、使わざるを得ない、いや使わなくてはならないアイテムですと言って了承をもらいました。当日は最初からCAS技術の話をして冷凍のほたてとほやを使っていることを説明しています。あまりほやには縁のない近畿圏のお客様にも「うまいよ」と言っていただきました。

想像したとおりの「美味しい」を届けるために

提供をされている側としては、何もつけなくても美味しいと自負されていると思いますが、あまり食べたことのない方々を唸らせるためにはアレンジも必要です。最初に食べたほやが酢の物だったので、ほやはやはり酸味が合うというイメージは頭の中に残っていたかもしれません。ならばその酸味としては何が合うだろう、シンプルな白ワインビネガーかなと。

ほやを焼いていれようと思ったのは香ばしさからです。あとは組み立ては頭の中で全部出来てきます。ほやは食感も考えて焼いた蒸しほやの他にCAS凍結のほやと両方使いました。CASのほやの方を若干大きくカットしています。土台となるのはほたて。でもほたてまでスモークしたら強すぎるので、野菜のブイヨンで火をいれました。香味野菜は白ワインビネガーと香りのないグレープシードオイルでさっぱりとあえ、あわせてはさむ湯葉には隠し味に和風の出汁と醤油で炊きなおしています。その上には口に入れた時の重さを考え、ほやの風味を邪魔しないようにバターフレーバーオイルで作ったサバイヨンと塩水ウニを乗せ、上からかけたキャビアも少し大粒を選び、モロヘイヤをたたいたソースには少しビネガーをきかせました。

見た目はシンプルであっても、手間と工夫と味のバランスが合体した時に料理として完成します。お客様が食べた時に、安定して美味しいと言っていただくために、例えば今回は香味野菜を切る大きさもひとつひとつ変えています。実はそういった素材を活かしきるための地味な作業が詰まっているんです。

こういった料理のイメージや組み立てというのは、素材の味が想像できるからこそできることです。鮮冷さんの素材はそこが確かなので安心して作ることができます。今回、ほやはもちろん、CAS凍結のほたても使用させていただき、非常に美味しく仕上げることができました。2018年の宮城山形福島フェアでもぜひ使用させていただきます。

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ホテルの食材に欠かせない品質の均一化