CASほや刺身 導入事例9/東京・フランス料理「ビストロ13区」 様

取材先 : フランス料理「ビストロ13区」/ ご担当者 : オーナーシェフ 菅原 啓 様

本日のメニュー

ほやのバリエーション 8種類の調味料で
まずは、ほやの味の原点を感じていただくという意味で、そのままです(写真手前左。以下順に右・奥に)。次は塩・こしょうとオリーブオイル。さらにくるみオイルのヴィネグレットをあわせました。 一度しょうゆをはさんでシンプルに柚子胡椒、意外なところでは味噌とオリーブオイルとディル。そして7番目はミントです。ハーブの中でも強さが際立ち、普段は肉とあわせたりするのですが、ほやは負けない強さを持っています。最後はチーズ。ミモレットとグラナ・パダーノを加えています。チーズも強い味と香りがあり、 単体で食べられる食材ですが、ほやは一対一で負けません。取りあわせた時の、互いの活かし方を楽しんでもらえるとうれしいです。

ほやのリエットとじゃがいもの温製
リエットは、本来豚肉でつくることの多い保存食です。 野菜も一緒に全部を脂で煮込むので、冷えると表面が固まるため保存に適しています。 今回はシンプルにほやとオニオンにガーリックを加えて、ひたすら煮込みます。なかなか煮崩れなかったのでスプーンでつぶせる程度になるのに4~5時間かかりました。レシピがあれば手を動かすことはできますが、ちょっとした匙加減で着地点は変わります。リエットというものがわかっていれば、このくらいでいいかな、という終わりが何となく見えると思います。
これをふかしたじゃがいもとあわせてエクストラバージン・オリーブオイルとブラックペッパー、最後に魚介と相性のいいディルをあしらっています。

ほやのカダイフ包み揚げ 春菊のサラダ添え
衣になっている素麺のようなものが「カダイフ」です。小麦を使っていますがパスタとは異なり、トルコやギリシャで使われる食材です。最近は洋食のシェフの中でも使われることが多くなってきました。 外側のサクサクした食感が近いといえば「カツレツ」でしょうか。「カダイフ」を使うと、パン粉よりもより食感が際立ちます。
塩こしょうで下味をつけたほやをくるんで油で揚げ、春菊をあわせました。香りの強い野菜をあえて使いました。強いものと強いものは、組みあわせによっておもしろい効果を得ることができます。これもひとつの例ですね。

ほやと青のりのオムレツ
これはフェアなどに限らず、ビストロ13区のレギュラーメニューとしてお客様に提供している料理です。
ほやに関するメニューは常にいくつか用意しています。青のりは季節によって変わりますが、今は浜名湖産を使っています。メニューもいろいろと季節の変化が出していけたらいいなと考えています。
最初にほやを軽く炒め、青のりとまぜた卵を加えて、オイル漬けにしたガーリックで風味を加えて仕上げます。

同じメニューを 常に同じ工程で提供できる安心感

僕はもともとがほやが好きなので、自分で仕入れて使ってみたこともありましたが、まず季節ものなので、旬の時期にしか手にはいりませんし、 鮮度のいいうちになんとか使いきらなくては、と考えてしまいます。 そして殻付きの場合は水も出ますし、捌くのが結構な仕事になってしまいます。

鮮冷ほや刺身」 は、まず季節や鮮度の面は完全にクリアです。 どんなに新鮮な魚を仕入れたとしても、鮮度はだんだんと落ちていきます。そうなると僕らの作業工程も変わっていきます。味付けや香辛料、あるいは調理の手間など、何かを加えることになるのです。その心配がいらないというとは、すごいことです。同じメニューを常に胸を張って出すことができるのですから。食材として何の心配もなく使うことができています。

さらに、小分けで冷凍されているので、オーダーが入ってから必要な分を解凍するので無駄がありません。急ぐときには常温に出せば1~2分ですぐ好きな形に切ることができます。扱いの良さも、食材選びの大切な要素です。殻付きのほやであれば、時間に余裕がある時にしか扱えませんが、 「鮮冷ほや刺身」 のような商品ならぱ、ほやを使ってみようかな、チャレンジしてみようかな、と考えるきっかけになるのではないでしょうか。

次ページ >
菅原シェフが語る食材としての「ほや」の魅力